2025/11/17

こんにちは、ドッグサロンNaturamオーナーの宮です。
トリミングで多くのワンちゃんと接する中で、飼い主様から「季節の変わり目になると、うちの子、どうも調子を崩しやすくて…」というご相談をいただくことがよくあります。
春から夏、秋から冬へと気候が大きく移り変わる時期は、人間と同じように、愛犬にとっても体が環境の変化に適応しようと頑張るストレスがかかりやすい時期です。
この時期の体調不良は、急激な気温や湿度の変化によって自律神経が乱れることや免疫力が一時的に低下することが大きな原因となります。
しかし、愛犬は言葉で「しんどい」と伝えてはくれません。
普段とのわずかな違い—たとえば、食欲が少し落ちた、便が柔らかくなった、いつもより寝ている時間が長い—といった「小さなサイン」を見逃してしまうと、症状が進行してしまうことになりかねません。
私たちはグルーマーとして、ワンちゃんの皮膚や被毛だけでなく、ボディランゲージや触れた時の体温、筋肉の張りなど、全身の状態をチェックしています。
その経験からお伝えしたいのは、日頃の飼い主様の細やかな観察と、早めの「先手」を打つケアこそが、愛犬の健康を守る鍵だということです。
この記事では、季節の変わり目に愛犬が体調を崩す原因から、私たちグルーマーの視点から特に注意してほしい初期サイン、そして自宅でできる食事やケアの方法を解説します。
サロンや病院を利用する際の判断基準も具体的にお話しするので、ぜひ愛犬の体調管理にお役立てください。
【監修:Naturamオーナー宮(みや)】
グルーマー歴11年、年間600頭以上のトリミングを担当。東急東横線学芸大学駅より徒歩4分のトリミングサロン「Naturam」のオーナーです。
私についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
1. 季節の変わり目に愛犬が体調を崩す原因と初期サイン

なぜ季節の変わり目に体調を崩すのか?
愛犬が季節の変わり目に体調を崩しやすい最も大きな原因は、気候の変動の激しさにあります。
たとえば
「暖かい日から急に真冬のような寒さになった」
「夏の暑さが落ち着いたと思ったら、今度は梅雨の湿気と寒暖差に突入した」
といった急激な変化は、愛犬の体に大きなストレスを与えます。
このストレスによって、体温調節が難しくなったり、体力を消耗したりして、自律神経が乱れ、免疫力が低下しやすくなるのです。
免疫力が下がると、普段なら跳ね返せるような小さなウイルスや細菌に負けてしまい、体調を崩してしまうこともあります。
特に注意が必要なのは、パピー(子犬)とシニア(老犬)です。
パピーは体がまだ発達途上で環境の変化に慣れていないこと、シニアは加齢により体の変化への順応性や免疫力が下がってきていることから、気候の変動に体が追いつかず、体調不良に陥りやすい傾向があります。
体調不良の初期サイン
季節の変わり目にワンちゃんが体調を崩す最初のサイン、つまり飼い主様が「なんかちょっといつもと違うな」と感じる最初の目安は、胃腸の不調です。
- ◆ 食が細くなる(普段に比べ食べる勢いがない、残す)
- ◆ 食べても戻す(一度食べた後にすぐ吐き戻してしまう)
- ◆ 嘔吐(未消化物を吐いてしまう)
- ◆ 下痢(便が柔らかくなる、回数が増える、下痢する)
これらは体が環境ストレスから胃腸に負担がかかっているサインであり、「休みなさい」という体からのメッセージでもあります。
ただし食事の量に関しては、その子自身で調節していることもあるので、元気であれば問題ありません。
注意すべき悪化の兆候
初期サインを見逃して症状がさらに悪化した場合、以下のようなサインが現れたら、すぐにでも獣医師の診察を受ける必要があります。
粘膜便が出る
便の周りにゼリー状のものが付着している場合、腸の粘膜が炎症を起こしているサインです。これが悪化すると、血便につながる可能性があります。
ぐったりしてしまう(元気がない)
犬は「しんどい」と訴えられません。ぐったりと元気がない状態が続き、沈みがちになるのは、体の許容量を超えた体調不良を示しています。
遊ぶ誘いにも乗らない、一日中寝ているなど、活発な状態とは明らかに異なる場合は、速やかに病院へ行きましょう。
【補足】薬が原因のこともある
意外に多いのが、抗生物質(抗生剤)などの薬によりお腹を壊してしまうケースです。薬の服用中は、特に便の状態に気を配ってあげてください。
2. 体調不良時の自宅ケア

愛犬が体調を崩してしまった場合でも、飼い主様が自宅で適切に対応すれば、症状の悪化を防げます。
食事を調整する
体調不良時は、胃と腸に負担をかけないよう、食事でコントロールしてあげます。
- ◆ 食事の量を調整する
- ◆ 脂質を控える
- ◆ 消化に良いものに変更する
消化にエネルギーを使うと体に負担がかかるため、いつもの半分の量から2/3程度に控えめにします。脂質は消化に時間がかかり、胃腸に負担をかけるため、極力控えてください。
人間がお腹を壊した時と同様に、消化が良くエネルギーになりやすいお米を中心としたお粥のような胃に優しいものをメインにします。
特に腸炎の際などは、お肉メインではなく、お粥をメインとし、少量の鶏むね肉など消化の良い肉を加える程度にします。市販の犬用のお粥やウェットフードを利用することも一つの手です。
私が自分の愛犬のために、使ってみて良かった商品をご紹介しておきますね。良かったら試してみてください。
腸内環境をサポートする発酵食品を取り入れる
この項目では、私が愛犬の食事で工夫して良かったことをシェアします。
「こういう方法もあるのか」と参考にしてくださると嬉しいです。
腸内環境のバランスが崩れて便が緩くなった場合、積極的に以下のような発酵食品を取り入れることで、腸内環境をサポートできます。
- ◆ 納豆
- ◆ ほんの少しのお味噌(塩分の摂りすぎに注意)
- ◆ オクラなどのねばねば食材
ワンちゃんも納豆を食べます。ただし少量で十分です。
納豆には食物繊維が多くあげすぎるとかえって下痢の原因になることも。そこで、引き割り納豆をごく超少量だけ、ご飯に混ぜてあげるのがおすすめです。
また、ほんの少しのお味噌(塩分の摂りすぎに注意)や、オクラなどのねばねば系の食材を一緒にあげると、胃腸へのダメージを和らげながら必要な栄養を摂取できます。
安静にする
体調不良の際は、とにかく安静にさせてあげることが回復への最も早い道です。過度な運動や、興奮しやすいドッグランなどの行為は控え、静かに休める環境を確保してあげてください。
清潔に保つ
体調を崩すと、下痢や嘔吐でお尻周りや口周りが汚れたり、臭くなったりします。汚れたまま放置すると、皮膚炎の原因にもなりかねません。
全身を洗うのは負担になるため、汚れた部分だけでも、ぬるま湯やペット用のウェットシート、もしくは当店でもおすすめしている天然成分のスプレー「ペットクール」で清潔に保ってあげましょう。
3. 予防策:季節の変わり目の「先手」を打つ体調管理

愛犬が体調を崩してから慌てて対応するのではなく、事前に予防的なケアをして先手を打ちましょう。私たちグルーマーの視点からも、日頃の予防がどれほど大切かをお伝えします。
コミュニケーションと変化の察知
まず基本となるのは、飼い主様と愛犬とのコミュニケーションです。
- ◆ 毎日の触れ合いで変化を察知する
- ◆ 気候の変化を意識する
撫でたり、声をかけたりする際に、愛犬の体温、皮膚や被毛の状態、便や尿の状態など、わずかな変化を日頃から見てあげましょう。
「昨日よりなんだか元気がないな」「ご飯を残すようになったな」といった小さな気づきが、早期対応につながります。
「そろそろ本格的に寒くなってきたな」や「昨日暑かったのに今日急に寒くなったな」など、飼い主様ご自身が気温の変化を意識的に観察します。人間も体調を崩しやすい季節の変わり目ですが、「ワンちゃんも体調を崩しやすい時期かも」といった先読みが大切です。
予防的食事調整
気候の変化を察知したら、体調を崩す前に「先手」を打つ食事の工夫をしましょう。
- ◆ ご飯の量の調整
- ◆ 消化に良いものを加える
気候が変わりそうな時、または少し疲れが見える時には、あえてご飯の量を控えめにしてあげるなどの工夫を先にしましょう。結果として、胃腸への負担が軽減し、体調を崩しにくくなります。
ほかにも、消化を助けるサプリメントや、前述したような消化に優しいお粥を少し取り入れてみるのも有効です。
4. 体調不良時のトリミングサロン利用の判断基準

体調不良のサインを見つけた時、「病院へ行くべきか」とか「サロンへ連れて行って良いものか」と迷われる飼い主様も多いでしょう。グルーマーの立場から、その判断基準を明確にお伝えします。
トリミングサロンのキャンセル基準
愛犬が少しでも体調を崩している、または「なんとなく元気がない」と感じる場合は、迷わずサロンの利用はキャンセルするべきです。
- ◆ 余計な疲労を避ける
- ◆ 感染症予防
トリミングは、愛犬にとって多かれ少なかれストレスや疲労を伴う行為です。体調不良時にサロンに行く行為は、犬に余計な疲労を与え、症状を悪化させるリスクを高めます。
特に下痢や嘔吐がある場合、他のワンちゃんへの感染症のリスクも考慮する必要があるので、キャンセルしましょう。
ただし、ぐったりしておらず、皮膚のケアや衛生面の維持が必要な場合は、全身を洗うコースではなく、「お尻周りだけ短くする(肛門バリカンを広めに)」など、短時間で終わる部分的なケアであれば対応が可能な場合もあります。
事前に正直に体調を伝え、担当のグルーマーと相談しましょう。
病院に行くべき基準
下痢、嘔吐、元気がないといった気になる症状があれば、まずは必ず動物病院へ行きましょう。プロの診断を受けてから、今後のケアやサロン利用について検討するのが鉄則です。
腎臓病や心臓病持ちの老犬など、基礎疾患を持つワンちゃんは、トリミング中に急変するリスクも考慮しなければなりません。
万が一、何かあった時にすぐに対応できるように、動物病院に併設されているトリミング施設を利用するのがおすすめです。
※ドッグサロンNaturamでは、近隣の動物病院と提携しております。ただ、健康上危険性がある場合は、お受けできないことがあることをご了承ください。
体調を崩す前の「先手」を打つ予防的ケアが愛犬の健康を守る

季節の変わり目に体調を崩すことは、多くのワンちゃんに見られることです。
下痢や嘔吐、食欲不振といった初期サインを決して見逃さず、消化に良い食事や安静といった自宅でのケアを適切に行いましょう。
もちろん、症状が重ければすぐに病院に行くべきですが、それ以上に重要なのは、日頃から愛犬とコミュニケーションを取り、体調に合わせてご飯の量を調整してあげることです。
飼い主様による細やかな観察と、体調を崩す前の「先手」を打つ予防的ケアが愛犬の健康を守ります。
ドッグサロンNaturamは、トリミングを通じて愛犬の健康をサポートするパートナーでありたいと思っています。
ご自宅でのケアでご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。愛犬がいつも笑顔でいられるよう、一緒に見守っていきましょう。
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