2026/04/17

犬がトリミングから帰ってきたとき「あれ?思っていたのと少し違うかも……」と感じたことはありませんか?
実は、トリミングの仕上がりは飼い主様とトリマーの「イメージの共有」がどれだけできているかで大きく変わります。
こんにちは。
ドッグサロンNaturam(ナチュラム)オーナーの宮です。
私たちは、ワンちゃんがリラックスできる空間で、その子らしさを引き出すスタイリングを大切にしています。
大切な家族である愛犬をより可愛く、そして快適に過ごさせてあげたいという気持ちは、飼い主様も私たちグルーマーも同じです。
今回は、プロの視点から「理想のカットを実現するためのオーダーのコツと流れ」を詳しく解説します。
初めてサロンを利用する方も、今のスタイルに悩んでいる方も、ぜひ参考にしてくださいね。
【監修:Naturamオーナー宮(みや)】
グルーマー歴11年、年間600頭以上のトリミングを担当。
東急東横線学芸大学駅より徒歩4分のトリミングサロン「Naturam」のオーナー。
私(宮)についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
理想をカタチにするための来店前チェック(事前の準備)

「おまかせで」でオーダーできるのは、長年の付き合いがある間柄だけです。
「思っていたのと違う」を避けるためには、事前準備が重要です。
イメージ写真は「複数枚」がベスト
理想のスタイルを言葉だけで伝えるのは、実はプロ同士でも難しいものです。「短く」という言葉ひとつとっても、人によって捉え方はバラバラ。
そこで一番の助けになるのが写真です。SNSや雑誌で見つけた「このカット可愛い!」と思う写真を複数枚用意してください。
正面だけでなく、横や後ろ姿、さらに「耳はこの形」「口周りはこんなふうに丸く」といった部分的なこだわりがわかる写真があると、トリマーとのイメージのズレを最小限に抑えることができます。
「してほしくない」NGカットを明確に
「これだけは嫌!」というスタイルを伝えておくことも、満足度を上げるために非常に重要です。
「顔を短くしすぎて老けて見えるのは嫌」
「足の毛を細くしすぎないでほしい」
このように、過去に失敗した経験や好みではないスタイルがあれば、遠慮なく教えてください。
やりたいスタイルと、やりたくないスタイルの両方の境界線を引くことで、グルーマー(トリマー)はより飼い主の好みにフィットした提案ができるようになります。
愛犬の毛質や毛量を理解しておく
愛犬の毛質や毛量、骨格は、人間と同じように一頭一頭個性が異なります。
そのため、モデル犬の写真と全く同じように仕上がるとは限りません。例えば、毛が柔らかい子に立ち上がりのあるカットは難しかったり、毛量が少ない子ではボリューム感が出せなかったりすることもあります。
写真の通りにできない場合があることを事前に理解しておくと、当日トリマーからの「この子の毛質なら、こちらの形の方が似合いますよ」という提案を前向きに受け入れやすくなります。
カウンセリング・オーダーの流れ:プロが聞く5つのポイント

失敗しないオーダーのためには、グルーマー(トリマー)との事前打ち合わせが大切です。Dog salon Naturamでは、オーダーに時間をかけています。
その流れと重要な5つのポイントについて解説します。
みなさんの家族である愛犬がストレスなく過ごしていただくためにも、ぜひNaturamのこだわりを知っていただきたいです。
初回は「ワンちゃんを知る」ための大切な時間
Dog salon Naturamでは、特に初回のお客様には30分から1時間ほどお時間をいただいています。
これは単にカットを決めるだけでなく、ワンちゃんの性格や癖、健康状態を深く知るためです。
カウンセリング中、私たちはワンちゃんを店内で自由に歩かせ、環境に慣れてもらいます。
リラックスしている時の表情や歩き方を見ることで、その子の魅力を最大限に引き出し、負担の少ない施術方法を組み立てていく大切な時間なのです。
①来店周期の確認:美しさを維持するために
理想の長さを維持するためには、サロンに通う頻度も重要なポイントです。
例えば「毛を長めに残したい」というご希望があっても、次回の来店が2〜3ヶ月後になってしまうと、どうしても毛玉ができやすくなり、ワンちゃんに痛い思いをさせてしまいます。
お手入れの頻度に合わせて、「この周期で通うなら、今回はこれくらいの長さにしましょう」といった、ワンちゃんの健康と美しさを両立できる長さをアドバイスさせていただきます。
②ボディ(体)の毛の長さ :生活スタイルに合わせる
まずは全体の印象を決めるボディの長さから決めていきます。
バリカンで地肌が見えるくらいスッキリさせるのか、ハサミでふわふわ感を残すのかを伺います。
短くすればお手入れは楽になりますが、紫外線や寒さの影響を受けやすくなります。
逆に長い場合は「もふもふ感」を楽しめますが、ご自宅でのブラッシングが欠かせません。
「生活のしやすさ」と「見た目の好み」のバランスを一緒に相談しながら決めていきましょう。
③足のカット:汚れにくさとシルエットの両立
足元は汚れやすさや歩きやすさが関わる部分です。
ボディと同じ長さで繋げてナチュラルにするか、足だけ少し長めにして「フレア」のように裾広がりのデザインにするかを選びます。
また、お散歩で汚れやすい足先だけを短く刈るスタイルも人気です。
骨格をカバーして足をまっすぐ見せたいのか、関節の形を出して軽やかにしたいのかなど、細かいニュアンスを伝えることで、全体のシルエットがぐっと洗練されます。
④ 顔周りのカット:印象を左右する
お顔は飼い主様が毎日一番よく見る場所であり、その子の印象を決定づけるメインイベントです。
用意した写真を見せながら「マズルはふんわり」「目周りはスッキリ」といった具体的な希望を伝えてください。
グルーマー(トリマー)は現在の毛量や毛の立ち方を確認し、今の状態からできること、そして数回かけて毛を伸ばして完成させる「育てるカット」の計画などをプロの目線でしっかりとお伝えします。
⑤ 健康状態の確認(健康状態など)
美容面だけでなく、安全面もしっかり確認します。過去にシャンプーで皮膚トラブルがあったか、持病やアレルギーがあるかなどは必ず共有してください。
また、耳掃除や爪切り、肛門腺絞りなどで嫌がる仕草がある場合、無理強いはしません。ワンちゃんが恐怖心を持ってしまうと、次からの来店が苦痛になってしまうからです。
状態によっては途中で施術を中断し、その子の心の健康を優先する場合があることもご説明しています。
パピーやシニア犬への配慮 子犬や老犬の場合、美容の完璧さよりも「負担をかけないこと」を最優先にします。
子犬であればトリミングを嫌いにならないよう楽しい経験として終わらせることを目指し、シニア犬であれば長時間の立位が難しいため、手早く、かつ清潔を保てる範囲での施術を心がけます。
「今のこの子にとって、何が一番幸せか」を飼い主様と一緒に考え、無理のない範囲で最大限の可愛さを追求します。
関連記事:シニア犬のトリミングを断られて困っていませんか?理由と安心して任せられるサロンの探し方
オーダーを成功させるためのコツ(飼い主の心構え)

面倒くさがらずに細かく伝える 私たちトリマーが「ここはこうしますか?」としつこいくらいに質問するのは、飼い主様の頭の中にある「理想」を正確に形にしたいという情熱があるからです。
オーダーを成功させるために、ぜひ飼い主側の心構えも聞いていただけると嬉しいです。
「何でも細かく」が理想への近道
「プロにお任せでいいです」と言われるのも光栄ですが、些細なこだわりこそが満足度に繋がります。どんなに細かいことでも構いません。
「散歩の時にここが汚れる」
「ここの毛が目に入りやすそう」
など、日々の生活で気づいたことを全てぶつけてください。
お迎え時のお直しは遠慮なく
仕上がりを確認した際、「もう少しだけここを切りたいな」と思ったら、遠慮せずにその場で伝えてください。
私たちはお返しする瞬間まで、飼い主様に喜んでいただきたいと思っています。その場での微調整は、私たちにとっても「お客様の本当の好み」を知るための貴重な学びになります。
何も言わずに他店へ移られてしまうのが一番悲しいことです。一緒に理想のスタイルを作り上げていくパートナーだと思って、率直な感想を教えてくださいね。
<理想の完成まで「3回」は通ってみる
トリミングは一期一会ではなく、継続によって完成度が上がります。人間の美容室と同じで、1回目でお互いの好みが100%合致するのは奇跡に近いことです。
トリマーがその子の毛の流れ、毛質の変化、そしてテーブルの上での癖を完全に理解し、カットに反映できるようになるには、3回程度の継続が必要だと言われています。
回を重ねるごとに「阿吽の呼吸」で理想のスタイルが作れるようになる過程も、ぜひ楽しんでいただければ幸いです。
愛犬と飼い主様に寄り添ったスタイル作り
理想のスタイルを完成させるプロセスは、飼い主様とトリマーが二人三脚で歩む楽しい時間でもあります。
事前の写真準備や、NG事項の共有、そして日々の暮らしに基づいた細かなご要望。これらすべてが、愛犬をより輝かせるための大切なヒントになります。
一度で完璧を目指すのではなく、3回、4回と回数を重ねるごとに、その子の毛質や癖に馴染んだ「唯一無二の可愛さ」が形作られていきます。
Dog salon Naturamは、技術はもちろんのこと、飼い主様の想いに寄り添うカウンセリングを何より大切にしています。
どんな些細な悩みも、ぜひお気軽にご相談ください。
愛犬との毎日が、もっとハッピーで快適なものになるよう全力でお手伝いさせていただけると嬉しいです。
スペシャルサンクス:画像に登場してくれたわんちゃんたちは、常連さんたちです。可愛い姿はInstagramでも投稿しています💕

